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戦略、マーケティングとは

雑感

    戦略には経営戦略や事業戦略があり、全社戦略は企業の持続的競争優位を確立するための基本的な考え方であり、事業戦略は単独の事業がそのドメインの中で競争優位を確立するための方針を指す。そして戦略には階層があり、経営理念があり、その下に経営ビジョン、全社戦略、事業戦略、実行計画がある。
    公的部門において、上述によると例えば全社戦略は国の持続的成長及び国民の生活や福祉の向上を図ること、事業戦略は各省庁における各専門領域での政策を実現することである。そして経営理念とは、政府の方針に従って各省庁が国益を優先すること、経営ビジョンとは各省庁が国民の生活や福祉の向上を図るための政策を立案することなどかもしれない。しかしながら全社戦略と事業戦略は各部門でのコンフリクトが発生することもあり、これがセクショナリズムの原因となる場合もある。これがいわゆる「国益ではなく省益」を追求する原因であるかもしれない。この各省庁における権限争いなどが政策実現のための困難さの要因のひとつであると考える。
 このため、各省庁及び省内におけるセクショナリズムを減らすことが国益に繋がる政策を実現することのひとつになるのではないかと考える。そしてよりよい政策実現のためには、より「国民の視点」を持つことも重要であると考える。

    そしてコンフリクト、つまりセクショナリズムを減らすための手法の一つとして、例えばマーケティング戦略がある。マーケティング戦略とは、外部/内部環境分析により市場機会の特定を行い、セグメンテーション(市場細分化)・ターゲティング(標的市場選定)をする、さらにポジショニングを決め、マーケティング・ミックス(4P)により立案・実行する。さらに実効とモニタリングによるPDCAサイクルを回すことにより改善と修正を繰り返し、市場(顧客)や競合の外部環境と自社の強みや弱みという内部環境を発見することで、さらなる戦略の精緻化を図ることとなる。また環境分析の際にはKBF(Key Buying Factor)やKSF(Key Success Factor)によりニーズを把握することが重要である。
 公的部門におけるマーケティング戦略とは、都市や地方における対立や、さらに企業数や人口、また年齢などによりセグメンテーションが分けられ、高齢者あるいは若年者に向けポジショニングを決めるのか、地方創生と言われる中でKBFやKSFは何かを見つけて、限られた予算で、効果的な政策を打ち出すための戦略である。
 そして顧客ニーズ把握とマーケティングリサーチのためには、始めに課題を設定し、仮説を立てることが重要である。公的部門における課題とは、例えば経済成長や人口減少社会、さらには超高齢社会、また近年では雇用問題や防災対策も重要であるかもしれない。これらや、また他の課題の中から国民のニーズを把握するためのリサーチの手法として、世論調査憲法上保障された住民投票などがあるかもしれない。また「新しい公共」が言われる中で、熟議民主主義を実現するための手法として、ジェイムズ・フィシュキンの著書『人々の声が響き合うとき』では新しい世論調査が提案されている。熟議民主主義を実現することや、近年のソーシャルネットワークなどを活用したマーケティング戦略を行うことで、セクショナリズムを回避し、より国民に近い政策が実現できると考える。
 公的部門はシビル・サーバントであること、政府債務や様々な課題を抱える中で政策を実現するためにはコストベネフィット等を意識し、予算制約のある内でより効果的な政策を打ち出す必要性、このためにはマーケティング世論調査などをさらに活用すること、多様性の中の課題を一般化することが重要であると考える。